2022-12-19

ウクライナ戦争に激化の圧力

米空軍退役中佐、ウィリアム・アストア
(2022年12月18日)

金曜日(12月16日)、ロシア・ウクライナ戦争に関連する3つの記事が目にとまった。

最初の記事は、NBCニュースで、パトリオットミサイルだけではウクライナを守るには十分ではないと主張している。この記事では、ウクライナに無人偵察機グレイイーグルを提供し、ロシアの奥深く、特に戦略爆撃機のある基地を攻撃できるようにするよう促している。この記事の副題は特に挑発的だ。「ウクライナに長距離攻撃能力を提供することに対する西側の制限は、無意味になりつつある」

おわかりいただけただろうか。この戦争がさらに激化する圧力をかけるような攻撃兵器の提供を心配するのは、「無意味」なのである。

二つ目の記事は、同じくNBCニュースで、近い将来ウクライナがロシアからクリミア半島を奪取するための軍事力を保有する可能性を示唆している。もしロシアのクリミア支配が脅かされた場合、プーチンは核兵器で対応する可能性があるという懸念も示されている。

三つ目の英ガーディアン紙の記事は、最近のロシアによるハルキウへの攻撃を取り上げ、次のように書いている。「ロシアの攻撃でハルキウは電力、暖房、水のない状態になり、『莫大な』被害が出ていると市長は述べている。ウクライナ第二の都市ハルキウでは、金曜日(12月16日)朝のロシアのミサイル攻撃でインフラに『巨大な」被害が出たため、電力、暖房、水が使えない状態になっていると、イホル・テレホフ市長が述べた」

このことは、ウクライナとロシアだけでなく、欧州と世界にとって、ますます危険で破壊的になりつつある戦争であることを意味している。

一方、友人が送ってくれたVoxの記事には、最近ワシントンで開かれたウクライナと戦争に焦点を当てたパーティーのことが書かれている。このパーティーの招待状は、米国の主要な兵器製造会社(この場合はノースロップ・グラマン、レイセオン、ロッキード・マーチン)がスポンサーになっていた。

不思議なことに、私はこの招待状を心から喜んでいる。スポンサーがはっきりしているからだ。

ロシアとウクライナに必要なのは、戦争を激化させる圧力ではなく、この戦争が本当に制御不能になる前に、話し合い、交渉し、終止符を打つための理由なのだ。

残念ながら、米国の多くの人々は、より多くの武器がその答えだと考えている。一つ確かなことは、上記の招待状に記載されている「支援者」からは、そのことについての反論は得られないということだ。

ベラ・ブリテン(英国の看護師・作家)が主張したように、復讐と暴力の連鎖を終わらせる勇気を持つことはできないのだろうか。殺人に「ノー」と言うことを学ばなければならない。戦争に「ノー」 と言うのだ。この精神にのっとり、私はウクライナのクリスマス休戦を求める宣言に署名した。この取り組みに関する反戦団体コードピンクの記事を紹介しておく。

クリスマス休戦の実現に期待したい。

(次を全訳)
Escalatory Pressures in the Russia-Ukraine War - Antiwar.com Blog [LINK]

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