2022-11-30

NYタイムズなど、米政府にアサンジ告訴の取り下げ要請

アンチウォー・ドット・コム、デイブ・デキャンプ
(2022年11月28日)

欧米の主要報道機関5社はついに、ウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジのために発言し、米政府にアサンジに対する告訴を取り下げるよう求めた。

米紙ニューヨーク・タイムズ、英紙ガーディアン、仏紙ルモンド、独誌シュピーゲル、西紙エル・パイスの編集者・発行人は米政府への書簡で「出版は犯罪ではない」とし、米国は「機密公開を理由としたジュリアン・アサンジの起訴を終わらせるときだ」と述べている。

5つの報道機関はウィキリークスが公開した文書から多大な恩恵を受け、同組織と協力して「ケーブルゲート」と呼ばれる報道で国務省の公電を公開した。書簡では、それらのリークと内部告発者チェルシー・マニングからイラクとアフガニスタンの戦争記録を受け取ったことで、アサンジは「きわめて厳しい事態」に直面したと説明している。

書簡にはこう書かれている。「2019年4月12日、アサンジは米国の逮捕状によりロンドンで逮捕され、現在、通常はテロリストや組織犯罪集団のメンバーに使用される英国の警備厳重な刑務所に3年半拘束されている」

何の容疑もなくベルマーシュ刑務所で拘束されている間、アサンジは精神的な拷問を受けていると、国連の特別報告者は断定している。米国に引き渡された場合、アサンジは最大限の警備が施された刑務所で最長175年の刑期に直面する可能性がある。

アサンジは、公開した情報を受け取るために通常のジャーナリズムの手法を用いたにもかかわらず、米司法省はスパイ活動法により起訴した。書簡によれば、オバマ政権は前例となりうることを理由にアサンジの起訴を求めず、トランプ政権が起訴を決定した。

「しかしドナルド・トランプ政権下では立場が変わった。司法省は、出版社や放送局を起訴するために使われたことのない古い法律である1917年スパイ法(第一次世界大戦中、スパイ容疑者を起訴するために作られた)に頼った」。報道機関各社はそう述べている。

トランプ政権がアサンジを起訴することを決めたのは、米中央情報局(CIA)のハッキング計画を詳細に記した「ボルト7」と呼ばれる文書をウィキリークスが公開したことと関係がありそうだ。公開に違法性はないし、アサンジはそれとは無関係のリークで起訴されているわけだが、ボルト7の件はCIAとマイク・ポンペオ長官(当時)を激怒させた。

昨年、ヤフーニュースは衝撃的な報道で、ポンペオ監督下のCIAがボルト7の公開をめぐってアサンジの誘拐を企て、暗殺を検討していたことを明らかにした。この報道は、アサンジを米国に引き渡すという英国の前内務長官の決定への異議申し立てで弁護団に引用され、現在控訴中である。

(次を全訳)
Major News Organizations Finally Urge US to Drop Charges Against Julian Assange - News From Antiwar.com [LINK]

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