2022-11-29

ハイテク企業と政府を切り離せ

元米連邦下院議員、ロン・ポール
(2022年11月28日)

エド・マーキー上院議員(民主党、マサチューセッツ州)は最近、まるで暴力団のように、ツイッター社の新しいオーナーであり、電気自動車会社テスラ、宇宙ベンチャー企業スペースXの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスクを脅迫した。マーキーはマスクに対し「お前の会社を何とかしろ」、さもなければ「議会がやるぞ」と言った。脅しの一環としてマーキーは、テスラの自動運転システムに関し現在進んでいる国家道路交通安全局(NHTSA)の調査や、ツイッターが2011年に連邦取引委員会(FTC)と締結した同意協定に言及した。

マーキー議員は脅しをかけるだけでは済まない。同議員はツイッターの新オーナーであるマスクの行動が同意協定や消費者保護法に違反していないかどうかを調査するよう、FTCに手紙を出した民主党上院議員グループの1人である。FTCのリナ・カーン委員長はできるだけ多くの企業を調査したいと考えており、上院議員の書簡に好意的な反応を示すと思われる。

バイデン大統領も、マスクのツイッター買収の資金調達に外国人投資家が果たした役割について調査を行うことを支持している。バイデンは、マスクがハンター・バイデン(大統領の息子)のビジネス取引に関するツイートを禁止する可能性がないことを懸念しているのだろう。

バイデン政権にとって恥ずかしい(あるいはもっと悪い)情報を含むツイートをマスクが許すのではないかという懸念は、多くの民主党の政治家や左派の作家や活動家がマスクを攻撃している本当の理由を示している。この人々は、ソーシャルメディアにおける保守派、リバタリアン(自由主義者)ら「社会正義に目覚めていない者」の言論を弾圧する取り組みを支持している。「目覚めた」暴徒や民主党の体制に異を唱える人々を黙らせることを拒否する大手プラットフォームの登場を、自分たちの権力に対する脅威とみなしているのだ。マスクは、多くの民主党議員(とリズ・チェイニー〔反トランプ派の共和党議員〕)にとって究極のヘイト犯罪である、ドナルド・トランプ前大統領のツイッター復帰を許可することで、さらに左派を怒らせた。

マスクに対する脅しは、自由に対する脅威が単に大手ハイテク企業からでなく、大手ハイテク企業と大きな政府の同盟関係から生じることを示している。

保守派の中には、ソーシャルメディアに対する政府の力を強めることが、ハイテク大手に言論の自由を尊重させる正しい方法だと考えている人もいる。しかしソーシャルメディアに対する米政府の力を強めれば、マーキー議員のような、政府の脅威の背後にある力を強めることになりかねない。ソーシャルメディア企業のビジネス手法に対する政府の支配が拡大すれば、企業は連邦政府と協力して言論の自由を封じ込めるよう、さらに動機付けされる恐れがある。

政府が規制強化に踏み切れば、ソーシャルメディア上のやり取りに対する政府の管理も強化される危険がある。問題はその統制の行使を誰が指示するかということだ。その結果、ソーシャルメディア企業に対し、保守派やリバタリアン、学校で人種差別撤廃論やトランスジェンダーを教えることに反対する人々、コロナワクチンの安全性や有効性に疑問を呈する人々を黙らせる、リベラルあるいは「目覚めた」圧力が高まるのか。それとも保守派や共和党が好む言論制限に従えというような、新しい種類の圧力が支配的になるのか。いずれにせよ、自由は失われる。

大手ハイテク企業は、しばしば政治家や官僚の「後押し」を受けて、政治家や官僚の機嫌を取るために利用者を黙らせている。したがって、ハイテク企業の検閲を終わらせるために、米国人は大統領を含むすべての政府関係者が憲法修正第1条(言論の自由)に違反しないよう要求すべきだ。政府関係者がソーシャルメディアのプラットフォームに圧力をかけ、あるいは「奨励」して、意見を理由に米市民を黙らせたり、ニュース記事を目立たなくしたりもみ消したりするのをやめさせなければならない。オンラインでの言論の自由を守るには、大手ハイテク企業と政府を分離しなければならない。

(次を全訳)
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : Separate Tech and State [LINK]

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