2022-11-11

トランプ時代の終わり

経済学者、マレー・セイブリン
(2022年11月10日)

この記事を書いている時点では、共和党が米上院を支配することはなさそうだ。 ネバダ州でアダム・ラクソルト氏が勝利し、アリゾナ州でブレイク・マスターズ氏が逆転しなければ、上院は50対50の同点になりそうだ。

共和党が上院の主導権を握るには、ペンシルベニア州で共和党から離脱したパット・トゥーミー氏の議席をメフメト・オズ氏が確保し、ジョージア州でハーシェル・ウォーカー氏がラファエル・ウォーノック氏に勝つ必要があった。 この記事を書いている時点では、ウォーノック氏とウォーカー氏は、いずれの候補者も得票率50%に達しないため、決選投票になる可能性がある。 ウォーカー氏は、2018年に続き〔民主党の〕ステイシー・エイブラムス氏をあっさり破った同州のブライアン・ケンプ知事にはるかに及ばない。ニューハンプシャー州の共和党候補ドン・ボルダック氏は、やすやすと再選を決めた同州のジョン・スヌヌ知事に及ばない。

つまり、トランプ氏〔前大統領〕推薦の上院議員候補は不振に陥った。この三つのレースでは「トランプ効果」がマイナスとなった。

ただし、オハイオ州ではJ・D・バンス氏が長年の民主党下院議員ティム・ライアン氏を惨敗させ、上院の議席を共和党陣営にとどめた。

フロリダ州では、ロン・デサンティス知事が〔民主党の〕チャーリー・クリスト氏を粉砕し、百五十万票差で再選を果たした。0.5%未満の差で辛勝した四年前とは大違いである。

ニューヨーク州では、ニューヨーク市の多数が現職に票を投じたため、鼻持ちならないキャシー・ホークル知事〔民主党〕が再選を果たした。 ニューヨーカーは、自分たちの街が犯罪にまみれ、荒廃し、さらに住みにくい大都市になったことに関心がないのだろうか。 どうやらそうらしい。 この選挙結果は、ニューヨーク州にはニューヨーク市とそれ以外の地域という二つのニューヨークがあることを示している。そろそろ分離独立だろうか。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、下院は10議席増の224議席で共和党が制すると予想されている。 過半数には218議席が必要だ。 言い換えれば、これまで中間選挙では、与党は通常30議席以上失っていたのに、今回は国がさまざまな問題に直面するにもかかわらず、共和党は10議席しか獲得できなかったということだ。

ルー・ロックウェルのブログで、デイル・シュタインライク氏が昨日の結果を簡潔にまとめている。

二ケタ近いインフレ、低迷する株式市場、ガソリン価格の上昇、犯罪の急増、よだれを垂らし徘徊する記憶障害の大統領という贈り物を手にしながら、それを一掃できないとは。 国の未来にとって厳しい前兆だ。デサンティスとマルコ・ルビオ〔上院議員〕はフロリダ州で相手を撃退したが、2024年の〔大統領〕候補者がまたぞろ、〔娘の〕イバンカと〔その夫〕ジャレド〔・クシュナー氏〕を従えたドナルド・トランプ閣下だとしたら、どう賭ける? トランプは負けるだろう。 火曜日の選挙結果から注意をそらすのは難しいが、誰かがトランプに11月15日まで〔次期大統領選への出馬表明を〕待つよう説得したのだ。 ああ、待ちきれないよ。

結論。デサンティス知事は、2024年大統領選で共和党の最有力候補である。トランプ氏は15分以上の名声を得たのだから、もう本を書き、たくさん持つリゾート地のどこかでゴルフをする頃だ。

トランプ氏の時代は終わった。そう願っている。

(次を全訳)
No Red Wave: GOP fumbles the ball - by Murray Sabrin [LINK]

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