2022-06-12

#20 ヒトラーはユダヤ人だったのか?


陰謀論の本を読んでいると、歴史上の有名な政治家、実業家の多くはユダヤ人だったという記述にしばしば出くわします。しかし、それらは本当なのでしょうか。ユダヤ人迫害で悪名高いドイツの独裁者ヒトラーについて取りざたされる、彼自身がユダヤ人だったという説を検証してみましょう。

<参考資料>
  • 「ヒトラーにはユダヤの血が流れていた」説はどこから生まれたのか? | ロシアの外相ラブロフも口にした陰謀論 | クーリエ・ジャポン [LINK]
  • 野口英明ほか『世界金融 本当の正体』(サイゾー) [LINK]

3 件のコメント:

  1.  初めまして。ネットサーフィンで着きました。これ、結論から言うとノーです。まず、「ユダヤ人」の定義ですが、ユダヤ教正統派によると、「ユダヤ教を信じる者、もしくはユダヤ人を母親に持つ者」と簡潔です。この定義は、現代のイスラエル国も採用。
     
     逆に、ユダヤ人以外から規定が有り、「a=人種」、「b=民族」、「c=宗教共同体」となる。

     まず、ユダヤ人同化が進んだ西欧諸国の、ユダヤ人概念は、「c」のユダヤ教共同体の一部で、カトリックやプロテスタントと同じカテゴリー。これは今日の世界(ディアスポラ)のユダヤ人の現状に当てはまる。

     次に、「a」のユダヤ人種規定は、中欧のナチスの偽人種論で、二代前の祖父母のいずれかがユダヤ人なら、ユダヤ人という思想。これは現在誰も信じていないが、林という陰謀論者が「私はユダヤ人種に偏見を持って居ない」と漏らし、ユダヤ人種の存在を信じてる馬鹿を期せず晒らした(苦笑)。
     
     ホロコースト生存者の現実から、この人種規定に人道的に対応したのが、イスラエル国の「帰還法」で、祖父母のいずれかにユダヤ人を持つ場合にはイスラエルに移住出来て自動的に国籍授与されるが、にも拘らず、母親がユダヤ人で無い場合はユダヤ人とは認められない。ただし、ユダヤ教正統派の方法で改宗手続きを取れば、晴れてユダヤ人となれる。

     次に、「b」の民族視であるが、古代ヘブライ人ならともかく、ユダヤ人には共通の言語や歴史体験、さらには身体的特徴にも欠ける。よって、現実は民族とは言い難いが、東欧諸国ではユダヤ人は、ロシア人や、ウクライナ人、などとは違う民族という認識が有る。その証拠が、旧ソ連のユダヤ人自治州ビロビジャンである。
     
     そして、そのユダヤ人への民族視に対応するのが、シオニズムで、ユダヤ教徒を一つの土地で一つの言語の国民化/民族化する、ユダヤ国民化/民族化運動である。

     で、設問のヒトラーはユダヤ人かという問いだが、アドルフ・ヒトラーの父親のアロイスが私生児であるという事から来ている。そして、アロイスの母、つまりヒトラーの祖母は、ユダヤ人の富豪から養育費を貰っていたという話がある。

     ここからすると、アドルフ・ヒトラーの父親の父親はユダヤ人であった可能性は高い。ナチスの人種論だと、ヒトラーはユダヤ人種となる。だが、ユダヤ教正統派の定義だと、非ユダヤ女性(ゴイア)のドイツ人を母親に持つので、ヒトラーは非ユダヤ男性(ゴイ)である。

     さらに、母系社会のユダヤ共同体と違い、ロシア社会は父系社会なので父親がユダヤ人だとユダヤ人と見做すという背景が有る。先の結論に戻るが、ヒトラーはユダヤ人ではないし、ユダヤ人を祖父に持つというのは、ナチスには致命的であっても、ユダヤ人側にはどうでも良い話である。

     

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  2. あ、失礼。ポッドキャストに内容が全部含まれてました。余計な事を書いたので、良ければ、この投稿を削除して下さい。

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  3. コメントありがとうございます。参考になる内容ですので、よろしければこのまま残させてください。

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