2022-03-04

体制転換という愚策

外交問題評議会のハース会長は「ロシアにおける望ましい体制転換(レジーム・チェンジ)の可能性」に言及した。この方針が実行されれば、戦争収束の希望を事実上失わせることになる。紛争を拡大させる最も確実な方法は、ロシアの指導者に「追い詰められ、他に選択肢がない」と思わせることだからだ。(ダニエル・ラリソン)

戦争地域に武器とカネを送り込むことは、長い間、米政府の常套手段であり、その結果、無数の悲劇的な問題が引き起こされた。イラン・イラク戦争でイラクに大量の武器を提供したことで、サダム・フセインはイランに侵攻。この戦争は二十年間で百万人を殺害した可能性がある。(アンドリュー・コーブリー)

いつも底流にあるのは、「狂人」を止めるために何かしなければならないという考えだ。プーチンは非合理で誇大妄想だから、決して譲歩や妥協は許されないという。しかし同じく「狂人」とされたイラクのサダム・フセインは、決して狂人ではなく、冷徹で計算高い独裁者だった。(ジョナサン・クック)

ロシアによるウクライナ侵攻の責任はプーチンにあるが、その中で起きている新冷戦は、主に過去三十年の米政府とその指導者の責任だ。具体的にはNATOの拡大、重要な核条約の破棄、東欧へのミサイル配備、十年で二度のウクライナを含む、ロシアに友好的な政府の転覆などだ。(スコット・ホートン)

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア語圏である南東部の出身。370年間もロシア領だった地域で育ったのである。テレビ俳優として、偶然ウクライナの大統領になった学校教師を演じたことで有名だ。この番組は実は当初ロシア語で放送され、ウクライナ語に吹き替えられた。(デビッド・ストックマン)

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