2022-03-02

主権侵害という欺瞞

国連、EU、NATOは「ウクライナの主権の侵害」に憤る。過去25年間、セルビア、アフガン、イラク、リビア、シリアなどの主権を軍で侵害してきたことを思えば、虚しく響く。彼らが決めたルールに従ってプーチンは行動している。問題はルール違反ではなく、目的の相反にすぎない。(トーマス・ナップ)

米国のソ連封じ込め政策の父とされるジョージ・ケナンは1998年、NATOの東方拡大に鋭く警告した。「これは新しい冷戦の始まりだと思う」とケナンは述べている。「これは悲劇的な間違いだ。これには何の理由もなかった。誰も他の誰かを脅かしていたわけではないのだから」(テッド・ガレン・カーペンター)

NATOははるか以前から、本来の役割というレールから外れていた。北大西洋条約が調印された1949年4月4日のわずか一年後に朝鮮戦争が始まるまで、NATOは欧州ではなく、アジアでの軍事作戦に深く関与した。「加盟国の安全と自由を保証する」という仕事もうまくいっていない。(ロン・ポール) 

ウクライナはロシア語圏のドンバス地方を自治権付きで分離したり、本来起源とするロシアに加盟させたりできたはずだ。1919年のベルサイユ会議でできた人口国家チェコスロバキは数年前、平和理にチェコとスロバキアに分離したし、ユーゴスラビアも今は7つの国に分かれている。(デビッド・ストックマン)

ロシアが戦争終結の条件として、ウクライナの中立と軍縮を挙げていることを、世界は真摯に受け止めるべきだろう。中立はウクライナにとって長期の選択肢となりうる。ベトナムは中国との冷戦に巻き込もうとする米国の動きに抵抗し、軍事同盟を結ばないなどの方針を守っている。(メディア・ベンジャミン、ニコラス・デイビス)

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