2020-11-04

民主主義の欠陥

経済学者アローが示した社会的選択に関する定理によれば、民主制において個人の意見を正確に反映する手段は存在しない。メディアが国民に投票を促し、民主主義のすばらしさを称えたら、思い出そう。アローが1951年に示したように、社会選択理論は砂上の楼閣にすぎないことを。

選挙で人民の意思は明らかにならない。「人民」に集団的な意思はない。選挙が接戦だとそれがよくわかる。もし投票者の約半分が、勝った候補に反対なら、勝った側が国民の「信任」を得たと言ったり、道徳的な権威に基づいて権力を行使すると主張したりするのは、馬鹿げている。

オーストリア学派の経済学者マーフィーによれば、米政治の最重要課題はロックダウンの停止だ。しかしこれは州レベルの話であるため、連邦レベルでは、中央銀行である連邦準備理事会(FRB)の廃止だ。議会が税と国債に頼るしかなくなれば、国内外における自由の侵害を防げる。

もはやすべての米国人を同一の規制、法律、判例によって統治するのは無理がある。わずかな数の連邦裁判官や連邦議員が3億3000万人ものために物事を決めるのは無理がある。米連邦最高裁でさえ、地方分権化した政府のほうが、多様な社会のニーズを汲み取りやすいと認めている。

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