2018-10-20

仮想通貨に監視の影

ビットコインなど仮想通貨のメリットの一つは、お金に関するプライバシーが守られることだといわれてきました。政府や銀行に預金残高や取引記録を把握されないからです。けれども、それが将来も続く保証はなさそうです。

金融情報サイト、マーケットウォッチの動画で、ブロックチェーン技術会社ノード40の最高経営責任者(CEO)、ペリー・ウッディン氏が解説するように、米トランプ政権は仮想通貨に強い関心を示しています。

行政管理予算局長となったミック・マルバニー下院議員は、仮想通貨とその中核技術であるブロックチェーンの熱心な支持者として知られます。しかし民間で発達したサービスが政府の関心の的となるのは、利用者にとって必ずしもいい兆しではありません。

日経電子版が報じたように、仮想通貨技術を使った資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)について、米証券取引委員会(SEC)が7月、条件次第で証券法上の有価証券にあたるとの見解を出したのに続き、米国商品先物取引委員会(CFTC)も今月、ICOで発行される「トークン」が監視対象になる可能性があるとの見解を示し、ビットコイン相場が一時急落しました。

動画の解説によれば、日本の国税庁にあたる米内国歳入庁(IRS)はブロックチェーンの分析に力を入れ始めています。税務調査に利用するためです。税当局がブロックチェーンの分析ノウハウを習得すれば、仮想通貨を利用する個人のプライバシーには脅威となります。

ウッディン氏は、ブロックチェーンは透明性が高いだけに、政府にとって現金よりも規制がたやすいと指摘しています。(2017/10/20

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