米経済には、政府が与えた独占や事業免許、補助金、不振企業の救済といった特権があふれる。政府が生み出し、政府と癒着した裕福な企業が支配するこの制度に名前をつけるとしたら、マルクス経済学でいう「国家独占資本主義」が適切だろう。
米国近代史をさかのぼれば、政府の助けによって企業が競争を免れ、支配力を強めたのはまぎれもない事実である。左翼は市場競争が問題を起こしたと非難するが、その問題の本当の原因は国家独占資本主義(別名·縁故資本主義)の失敗である。
David D’Amat, Don’t confuse the free market with crony capitalism (2017.3.30)
"crony capitalism"(=縁故資本主義)を「国家独占資本主義」とは、言い過ぎの気がします。
返信削除政府事業の公正さを保つことは、共産主義、社会主義、官僚権威主義では不可能であることは歴史が証明しています。
さらに、世界で最も進んだ自由主義のアメリカ合衆国でさえ、政府が与えた独占や事業免許、補助金、不振企業の救済といった特権があちこちにあると本記事と元の英文記事が言っています。
政府の行動は、議員や官僚に委ねられています。ぼけっとした国民は選挙時の投票でしか権力を行使できません。でも、私的利益の拡大のために考えつくした者は、政府に取り入り、自分への発注や補助金を獲得し、一方で、ライバルの活動を抑制する策を弄することが良いと考えます。自由主義では、個人の行動の自由を認める以上、致し方ないのです。でも、それは、公正な競争の範囲内であるべきです。
単にリバタリアニズムがより良いとかレッセフェールがもっといいとか思想の優劣を競っても解決にはなりません。実は人々の感情に訴えることが必要なのです。日本の共産主義者、社会主義者、官僚権威主義者、マスコミ、そして今のアメリカ大統領も、社会的弱者の怒りを煽ることが実に上手です。自由主義者は彼らに学び、対抗できる策を実施しなければいけません。