2016-05-11

本間龍『原発プロパガンダ』


癒着が生んだ巨大マネー

電力会社は原発の危険を覆い隠すため、巨額のマネーを広告に注ぎ続けた。その源泉は、経費をすべて利用者に押しつけても逃げられる心配のない地域独占。自由な市場経済とはほど遠い官民癒着を暴く。

<抜粋とコメント>
"電力会社は独占企業であり、すべての経費を原価に計上できる総括原価方式であるため、広告宣伝費をすべて原価とし、電気料金として利用者に請求することができた"(p.12)
# 「原発は市場原理主義」という真っ赤な嘘。

"約四〇年間のあいだにこのプロパガンダに参画した人々は、数千・数万人規模にのぼる…直接責任を問うことは非常に困難になり、自覚もなくなる"(p.23)
# 政府の本質は無責任。多数の人間が参画するほどそうなる。

"電源三法交付金は一時的に〔原発立地自治体の〕財政を豊かにしたが、それが切れるとまるで薬物依存のようにそれなしではいられないという、まさに補助金頼みの体質"(p.53)
# 地域を蝕む補助金。真の繁栄は民需から。

"今後も中間貯蔵施設と最終処分場設置の理解促進、さらには「風評被害撲滅」を合言葉にした「安心キャンペーン」に巨額の〔政府〕広報予算が投下されることは明らか"(p.168)
# 政府にとって金食い虫の事業こそ理想。

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