この記事は、ディック・チェイニー元副大統領の死去に際して、彼を「悪の怪物」「権力狂いの好戦家」と断定し、哀悼の意を表さない理由を説明するものです。著者は、彼に関する真実だけで十分であり、故人を「中傷する必要すらない」と主張しています。
🏛️ 戦争の立案者と金融的動機
著者は、チェイニーを両方のイラク戦争(1991年の湾岸戦争と2003年のイラク侵攻)の立案者であると指摘しています。
- 2003年のイラク侵攻: 副大統領として、イラクが大量破壊兵器を保有しているという虚偽の主張を最も熱心に広めました。
- 1991年の湾岸戦争 (砂漠の嵐作戦): ジョージ・H・W・ブッシュ政権下で国防長官を務めていた際に、作戦を監督しました。
- 金融的利益: ブッシュ政権の間、チェイニーは世界最大級の石油会社ハリバートンのCEOを務めており、イラクが世界有数の石油埋蔵国であることを指摘し、個人的な金銭的利益が戦争を支持する一因であったと示唆しています。
🌍 広範な征服計画と覇権主義
元英国首相トニー・ブレアの著書を引用し、チェイニーにはアフガニスタンとイラクだけでなく、シリア、イランを含む全ての中東諸国と戦争をするという壮大な計画があったと述べています。
チェイニーは、「世界を一新しなければならない」と考えており、そのために「徹底的な強硬な力」が必要だと信じていました。
さらに、チェイニーは冷戦後のアメリカの世界戦略を定めるメモの立案者とされ、その内容は以下の通りです。
- 主な目標: 競合するライバル超大国の出現を防ぐこと(西ヨーロッパ、東アジア、旧ソ連圏、南西アジアを支配する敵対的な勢力を阻止する)。
- 目的: アメリカの利益を守り、アメリカの価値観を促進すること(国際法への尊重、民主主義の普及、開かれた経済システムの奨励)。
- 単独行動の準備: 国連を通じた集団行動ができない場合や迅速な対応が必要な危機においては、アメリカは単独で行動する態勢を整えるべきであると明記しています。
🔪 イラク戦争の真の動機
エドワード・C・ダガン氏の論文を引用し、イラク侵攻は9/11への過剰反応や大量破壊兵器の脅威、民主主義の拡散、石油の利益、ネオコンの役割といった他の説明に反するものだと主張しています。
- 真の動機: チェイニーとラムズフェルド国防長官による、「大統領権限を強化し、アメリカ軍を増強する」という長期的な政策、すなわち「アメリカの優位性(primacy)」を追求するためのものでした。
- 彼らはイラク侵攻を「テロとの戦い」を拡大する機会と捉え、大統領権限の強化とハイテクで潤沢な資金を持つ軍隊への変革という長年の目標を追求したとされています。
🗣️ 拷問の擁護
チェイニーは拷問や「強化された尋問技術」を支持し、それについて後悔していないと公言しています。彼は、水責めなどの手法は拷問には当たらないと主張し、9/11のテロリストの行為と比較すればCIAの行動は「見劣りする」と述べました。
結論
著者は、チェイニーの「有害な遺産に対抗する」ために全力を尽くし、マレー・ロスバードやロン・ポール博士が擁護した伝統的な非干渉主義の外交政策に立ち返ることを呼びかけています。
Why I Won’t Be Mourning Dick Cheney - LewRockwell [LINK]
(Geminiで要約・翻訳)
0 件のコメント:
コメントを投稿