2023-12-18

アルゼンチン新大統領はリバタリアンの希望ではない

ロン・ポール研究所 上級研究員、アダム・ディック
(2023年11月19日)

米リバタリアン党は、本日行われるアルゼンチン大統領選の決選投票で、2人の候補者のうちの1人であるハビエル・ミレイ氏を祝う投稿をツイッターにした。ツイートはまず、ミレイ氏を「この世代で最も成功したリバタリアンの政治家候補」であり、「今日の世界に衝撃を与えるチャンスがある」と紹介した。そして、「幸運を」と祈り、「米国でも起こりうることの手本を示してほしい」と願った。
ふむ。この大絶賛は妥当なのだろうか。

ロン・ポール研究所のダニエル・マカダムス事務局長は8月、このアルゼンチンの政治家について議論するツイッター・スペースで、ミレイ氏の政治見解のいくつかを検証し、警告のサインを示した。

批評の序盤で、マカダムス氏はミレイ氏の外交政策について次のように述べた。

いくつかの見出しでこう書かれているのを見た。「ミレイ氏は新しいロン・ポール氏〔リバタリアンとして有名な元米下院議員〕か。これはロン・ポール革命か」。答えは断固として「ノー」だ。彼の取る立場は、ロン・ポール氏の立場とはまったく正反対だ。特にその外交政策を見ると、興味深いことに、民主党を選ぼうが共和党を選ぼうがワシントンを牛耳る米外交政策エリートとまったく変わらない。

ウクライナとロシアに関して、彼は完全に自分のメッセージに忠実だ。中国に関しても、自分のメッセージに忠実だ。彼は中国を暗殺者と呼んでいる。キューバ、ベネズエラ、北朝鮮、ニカラグア、中国とは決して関係を促進しないと言っている。そして、その他にもいろいろある。だから、これらの分野に関しては、彼はロン・ポール氏ではない。ロン・ポール氏はこんなことは決して言わない。

マカダムス氏が、ミレイ氏はリバタリアンの希望の星だという意見に冷や水を浴びせるのは、ツイッター・スペースの36分39秒からだ。

(訳注)ミレイ氏は決選投票に勝利し、12月10日に大統領に就任した。

­Argentina Presidential Candidate Javier Milei Is Not the Great Libertarian Hope - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

【訳者コメント】ミレイ氏の大胆な行政改革には注目したいが、米国追随の外交政策は残念でしかない。リバタリアンの外交方針の基本はあらゆる国との友好だということを、ミレイ氏は理解していないようだ。

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