2023-04-29

露、核実験を準備との米主張を一蹴

プーチン大統領は以前、核兵器を使用するのは他国が先に使用した場合だけだと述べている

アンチウォー・ドット・コム
(2023年4月28日)

クレムリン(露大統領府)報道官は、ロシアが核実験の準備を進めているという米国の外交官による主張を非難した。ロシアは、他の締約国が核実験禁止条約を遵守する限り、自国も遵守すると主張している。
クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は28日、核兵器実験の可能性についての質問に答え、「現時点では、誰もがモラトリアム(核実験停止)を遵守している。これ以上言うことはない」と述べた。

ペスコフ氏は、米国のリン・トレーシー駐露大使が行った主張に対し、この発言を行った。同大使は、実験禁止条約の破棄を検討しているのはロシアだけだと主張した。

ペスコフ氏の発言は、プーチン露大統領が今年初めに述べた、米国が核兵器を爆発させた場合にのみ、ロシアは戦略的実験を行うという発言と一致している。同大統領は2月、「米国が実験を行うのであれば、我々も行う。世界の戦略的均衡を崩せるという危険な幻想を抱いてはならない」と述べた。

米露両国は、相手が核兵器実験を準備しているという非難を、証拠を示すことなく繰り返してきた。米当局は1年以上前から、北朝鮮が7回目の核実験を行うという主張を繰り返してもいる。

破滅的な核戦争の危険性が過去最大に高まっていると米科学誌「原子力科学者会報(BAS)」が警告する中で、このような責任のなすりつけ合いが起きている。冷戦終結後、米国はロシアとの間で、中距離核戦力(INF)条約、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約、領空開放(オープンスカイ)条約など、いくつかの軍備管理協定を破棄してきた。

ロシアは今年初め、核兵器を制限する米露の最後の二国間協定である新戦略兵器削減条約(新START)の履行を停止した。ロシアは、この協定が中断された理由の一つは、米国がウクライナを支援してロシアの戦略的軍事施設を攻撃したためだと表明した。

ロシアは新STARTの履行を公式に停止したものの、協定で定められた制限のほとんどを遵守し続けている。同国のセルゲイ・リャプコフ外務次官は3月、「ロシアは自発的に、条約で定められた戦略核兵器の中心的な数量制限を遵守し、ミサイル発射の相互通知に関する1988年の合意も引き続き遵守していく」と述べた。

露外務省のエルマコフ不拡散・軍備管理局長は今週初め、核軍備管理に関する米露の協議は、すぐに期待すべきではないと声を上げた。同局長は25日、「このような状況では、米国や西側諸国と大きな交渉を行うことはできない」と述べた。

エルマコフ氏は、ロシアが現在懸念しているのは、米国がアジア太平洋地域で戦略資産を構築していることだと説明した。米国がこの地域での軍事的拡大を北朝鮮や中国への対抗策と考える一方で、ロシアの領土もこの地域に広がっている。

米当局は26日、核兵器を搭載した米潜水艦が朝鮮半島に寄港すると発表した。さらにエルマコフ氏は、米国のミサイルが日本に配備される可能性について懸念を表明した。

Kremlin Dismisses Claims Russia Is Preparing a Nuclear Weapons Test - News From Antiwar.com [LINK]

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