2023-03-22

戦争の白紙委任状

米上院議員、ランド・ポール
(2023年3月16日)

先日、上院外交委員会で、2002年のイラク戦争のための軍事力行使権限承認(AUMF)の撤廃を議論した。イラク戦争はとっくに終わっている。すでに終わった戦争を終わらせることは、全会一致で合意されていると思うだろう。   

しかしイラク戦争権限承認の廃止だけで終わってしまっては、何も変わらないのではと恐れる。
アフガニスタン戦争の権限承認も廃止するという追加のステップを踏む必要がある。9・11のテロリストを裁くための2001年の承認は正当なものだったが、イラク戦争と同様、アフガン戦争もとっくに終わっている。にもかかわらず、承認は残ったままだ。

いつどこで戦争をするのかを決めるのは議会の仕事である。大統領は戦争を遂行する権限を持つが、戦争を開始する権限はない。(建国の父の一人)ジェームズ・マディソンは、行政府は最も戦争をしやすいので、憲法はその権限を立法府に委ねたと書いた。

マディソンの言葉には、知恵がある。両党の大統領は9・11の権限を濫用し、イラク、シリア、イエメン、ソマリア、リビア、ニジェールなどで戦争に踏み切った。

イラク戦争承認の廃止は、正しい方向への一歩である。しかし忘れてはならないが、バイデン政権が廃止に反対しないのは、米国の現在の軍事活動が承認に依存していないからではない。言い換えれば、政権はそれを必要としていないのだ。2002年のイラク戦争承認だけを撤廃しても、何も変わらない。いつどこで戦争をするかという決定は、依然として行政官の気まぐれだけに左右されることになる。

最近の大統領はみな、合衆国憲法第2条に基づき無制限の戦争権限を誤って主張し、少なくとも19カ国での戦争を正当化するために2001年9月11日の承認を利用している。

しかし9・11の権限承認は、「2001年9月11日に発生したテロ攻撃を計画、許可、実行、援助した者、またはそのような組織や人物をかくまった者」に対してのみ武力を認めている。

9・11テロとの関係で狭く定義されたこれらの組織に対する武力行使を認めているのである。世界的な対テロ戦争やイスラム過激派に対する承認は与えられていない。

何年もかけて、この権限承認の対象となる集団の定義が広がっていった。つまり大統領は、9・11への関与との関係がいかに希薄であっても、あらゆる集団に対して戦争を仕掛ける権限を主張できるのである。

2001年の議会では、少なくとも19カ国で行われる数十年にわたる戦争に賛成しているとは、誰も思っていなかった。

議会の仕事は、単に戦争に議会のお墨付きを与えることではない。その重要な仕事は、私たちの息子や娘をいつどこの戦場に送るかを決めることである。

最近、私は委員会の仲間に尋ねた。この中に、現状を承認することに投票する人はいるだろうか。ほぼ20カ国の軍事作戦を承認することに票を投じるか。いつどこで戦争をするかという問題について、議会は議論すべきだと思わないか。

2001年9月11日の権限承認を廃止すれば、米国民を危険にさらすことになると主張する人もいる。

それなら、その議論をしようではないか。私が提出した修正案は、これらの作戦を継続すべきかどうかについては言及していない。2001年9月11日の権限承認を半年後に無効化するものだ。その間に、どこでどのように武力行使を許可するか、きちんと議論すればよいのだ。

戦争は時に必要だが、戦争に踏み切るかどうかは、一人の人間(大統領)の判断で決められるべきものではない。イラク戦争とアフガン戦争に対する議会の承認を終了させることで、戦争の権限を米国民とその代表者に戻すことができる。

Time to rip up the president's blank check for war - Responsible Statecraft [LINK]

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