2022-12-13

ウクライナの危うい対露攻撃

米空軍退役中佐、ウィリアム・アストア
(2022年12月8日)

ウクライナがロシアの空軍基地を攻撃するために改造した無人機を発射しているという報道は、戦争の予測不可能性と激化する性質を浮き彫りにしている。ウクライナはもはやロシアの侵略から自国を守るだけでは満足できない。ロシアそのものを標的にしなければならず、それはおそらく、より厳しいロシアの反撃を引き起こすだろう。一方、米議会は民主主義と自由を守るためと称し、ウクライナに何十億ドルもの軍事支援を続けている。

戦争にはさまざまなものがあるが、民主的であることはめったにない。実際、〔アメリカ建国の父の一人〕ジェームズ・マディソンが警告したように、戦争は本質的に反民主主義的である。戦争は独裁的な勢力を強化し、権力の乱用と腐敗を助長する。ロシア・ウクライナ戦争は、明確な解決策が見えないまま進行しており、激化する可能性があるにもかかわらず、ウクライナはさらに苦しんでいる。

今必要なのは、ロシアとウクライナはもちろん、米国や北大西洋条約機構(NATO)も含めたすべての関係者による、戦争終結を目指す毅然とした外交努力である。この悲惨な戦争が長引けば長引くほど、予測不可能な事態が起こり、より残虐な行為が明らかになり、普通のウクライナ人やロシア人がさまざまな戦場や家庭で苦しみ、死んでいく可能性が高くなる。

交渉は弱さではないし、宥和でもない。交渉は賢明であり、合理的であり、生命を肯定するものである。しかし米国とNATOから白紙委任を受けているウクライナにとって、交渉する理由はほとんどない。

一方、ウクライナがロシアの奥深くへ攻撃を続ける今、米国の軍や情報機関がどの程度関与しているのか気になるところである。米国は技術を提供したのだろうか。標的の情報はどうか。諜報活動はどうか。それともウクライナは完全に自分たちだけでやっているのだろうか(このシナリオは安心できるものではない)。

米国とロシアが話し合っていることを願うばかりだ。戦争の混乱と混沌のなかで、ロシアはどうやって戦略空軍基地への攻撃がNATO領域からではなく、ウクライナから来ていると確信できるのだろうか。たとえウクライナからの攻撃であることが明らかであっても、こうした攻撃が米国やNATOによって可能にされたり承認されたりした場合、ロシアはこれを戦争行為とみなすだろうか。ロシアは軍事的に反応し、さらに圧力を高めることになるのだろうか。

奇妙なことに、ウクライナのロシアに対する防衛戦争は、米国の「良い」戦争、ウクライナの「民主主義」を守るためにロシアとプーチンを弱める機会として売り込まれてきた。しかしウクライナの戦術がより攻撃的になり、戦争の圧力によってウクライナ政府がより独裁的になる可能性が高いなか、米国が外交を抑制する一方で、大量の軍事支援を送り続けることは、どれほど賢明なことなのだろうか。

プーチンを懲らしめ、その力を削ぐという名目で、ロシア・ウクライナ戦争を長引かせることに終始する政策は、戦争がいかに反民主的であるかという教訓を我々に教えてくれるかもしれない。戦争は極限に達しており、自由と正義にかなう方法でそれを制御できると信じるのは、愚か者だけである。

(次を全訳)
Beware of Long Wars - Antiwar.com Original [LINK]

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