2022-11-23

ロックダウンはまた来る

ブラウンストーン研究所創設者・所長、ジェフリー・タッカー
(2022年11月14日)

新型コロナ対策のロックダウン(都市封鎖)を行った支配者たちは、かろうじて最悪の運命、すなわちこの話題が本来そうあるべき、国内外でのスキャンダルの種になることを免れた。ワクチン接種の義務化もここに加えておこう。たとえそれが道徳的に正当化されたとしても(正当化されなかった)、実用的な理由はまったくない。

公衆衛生のために何かを成し遂げた証拠はまったくなく、その一方、無数の人々の生活の質を台無しにした証拠は膨大にある。一年の間にこの両方を行ったとは、時代を超えたスキャンダルと呼ぶにふさわしい。米国だけでなく、数カ国を除く世界のほぼすべての国で行われたのである。

これは政治的に大きな意味を持つのだろうか。そう思うかもしれない。しかし今日、真実と正義はこれまで以上に遠ざかっているようだ。ロックダウン反対派の州知事の中で最も情熱的な人たち、つまりロックダウンをしなかった人たち、他の州より早く街を開放した人たちは、その勝利を刻んだ。残りの大半の知事は政治体制全体と一緒になって、すべて問題ないかのように装っている。悲劇的なことに、この戦術は必要以上にうまくいったようである。

一方で、いくつか考えておくべきことがある。

米政府は運輸保安局(TSA)を通じて、ワクチン未接種の外国人旅行者の入国禁止を2023年1月8日まで延長する命令にまたもや署名した。つまり予防接種をなんとか拒否している人は、いかなる理由があっても米国に来ることはできない。世界人口の30%が自費で米国に入国することさえ禁止されたことになる。三年前なら信じられないほど自由主義に反するとして、大きな論争と怒りを巻き起こしただろう。今日、この措置延長はほとんどニュースになっていない。

バイデン政権は、コロナ緊急事態宣言を再び九十日間延長した。議会の承認なしに、政府に膨大な権限を与え続けるものだ。非常事態のもとでは、米国の憲法構造は事実上停止され、国は相変わらず戦時下の状態にある。この延長発表は議論を呼ばず、やはりほとんどニュースにならなかった。

多くの大学、その他の学校、公的機関は、「2価ワクチン」接種を承認する確かな科学的根拠も、接種を推進する真の理由もないのに、接種を義務づけ続けている。ほとんどの人がとっくに自然免疫を獲得しており、さらに、ワクチン接種では誰も感染から守れず、感染も止められないことが非常によくわかっているにもかかわらず、とにかくやり続けている。

マスクが問題視されないのは、感染を防げなかったことを素直に認めるようなことがなかったからだ。現在でも、何割かの人はトラウマを抱えている。旅行先で見かけるのは10〜20%だが、東北部のいくつかの都市では、普通にマスクをしているところもある。マスクが政治的な法令順守や美徳の象徴となったことで、文化は様変わりした。今私たちは、政府が必要と判断すればいつでもマスクを義務付けるという脅威に直面している。運輸保安局が裁判所からゴーサインを出されたからだ。

生活のほとんどの分野でワクチン接種の義務化が終わり、その結果、清潔な人とそうでない人を区別するパスポートを求める動きもなくなってきたのは良い兆しだ。しかし今も義務化の基盤は整備され、より洗練されてきている。最終的な勝利とは言いがたい。すべての野望が残っている間は、一時的な休息にすぎないかもしれない。

それ以上に、バイデン政権(および同政権が代理人を務める世界経済フォーラム、世界保健機関、その他いわゆる体制すべてを含む)は、独自のパンデミック対策を実施している。その考えは、義務を縮小することでも、冷静になることでもない。その逆で、サウスダコタ、ジョージア、フロリダ各州のような〔ロックダウンに反対する〕試みを次回はできなくするために、すべてのパンデミック計画を一元化することだ。また、さらに数百億ドルの資金を費やす。

コロナ対策を推し進めた諸機関、知識人、政治家の間で、次のような原則が生まれたようである。何をするにしても、大きな失敗をしたことは絶対に認めない。私たちの周りにある経済、文化、健康、教育の惨状を、2020年や2021年に政府が行ったことと決して結びつけてはならない。それは陰謀論以外の何物でもない。

パンデミック騒動は現時点では非常に巨大で、暗号資産(仮想通貨)交換業大手FTXの破綻さえ巻き込んでいる。同社前最高経営責任者サム・バンクマン・フリード氏の弟ゲイブ氏は、バイデン政権がパンデミック計画に割り当てた300億ドルを「支援」する目的だけのために、実際に非営利団体を設立した。この「パンデミック対策」という名の団体は、どう見ても資金調達の隠れみのとなっており、当選した多くの民主党候補者から公式の支持を受けている。

一方、パンデミック対策の多くの部分に対して、裁判での異議申し立てが成功しているのは事実だ。しかし十分ではあるまい。ウイルス対策という名目で自由と財産を奪った機構の主要部は、その本質のすべてにおいてまだ残っている。米疾病対策センター(CDC)は今日でも、政府が必要と判断すればいつでも展開できる検疫の強大な権限を誇っている。それは何も変わっていない。

大局的かつ哲学的にいえば、人類は自らの過ちから学ぶ能力を失ってしまったようだ。もっと厳しい言い方をすれば、パンデミックによって支配者層の利害関係者の多くが経済的・権力的な利益を得たために、真剣に反省し、改革することができなかったということである。

いずれにせよ、反省と改革は後回しにされた。人類と人類が築いた文明の未来を真剣に考えるならば、真実と理性を求める長期にわたる戦いに身を投じなければならない。そのためには、残された言論の自由と、公の場における誠実さと説明責任への熱望を、とことん行使する必要がある。私たちが「彼ら」と呼ぶようになった集団は、意気消沈した国民と、沈黙した公共の場を望んでいる。

それを許すわけにはいかない。

(次を全訳)
They Will Lock You Down Again ⋆ Brownstone Institute [LINK]

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