2022-11-14

経済の自由は女性を解放する

ケイトー研究所アナリスト、チェルシー・フォレット
(2018年8月24日)

経済の自由とその結果としての競争市場は、少なくとも二つの互いに関連したやり方で女性に力を与える。

第一に、市場主導のイノベーションは、女性の生活を男性以上に向上させた。例えば、自由な企業活動がもたらした繁栄を資金源に健康が増進し、そこから女性はより大きな恩恵を受けてきた。女性の平均寿命は男性よりも早く延び、今日ではほとんどすべての地域で女性が男性よりも長生きしている。女性は出産で死亡する確率も低くなった。

省力化された家庭用器具は、女性を家事の負担から解放した。台所用品のおかげで、米国では料理にフルタイムの仕事と同じ時間を費やしていたのが、1日1時間程度で済むようになった。また、洗濯機のおかげで、豊かな国々では、毎週丸1日かかっていた洗濯が、平均して週に2時間未満で済むようになった。このような女性の時間の解放は、家電製品が世界中に普及するにつれて、ますます進んでいる。市場競争と利潤追求が家庭用省力化機器の発明を促し、発展途上国の新しい顧客への販売に駆り立て続けている。経済が自由化された国では、経済が急速に発展し、より多くの家庭が現代的な便利さを手に入れることができるようになることが多い。中国は1978年に経済自由化政策を導入して以来、経済が劇的に成長した。1981年、中国の都市部の家庭で洗濯機を所有していたのは10%未満だった。2011年には97%以上が洗濯機を所有するようになった。女性が家事に費やす時間が減り、より多くの人が有給労働を選択するようになった。

第二に、労働市場への参加は、女性に経済的自立と社会的交渉力の向上をもたらす。19世紀の米国では、工場労働は評判が悪かったにもかかわらず、女性の経済的自立と社会的変化の実現に貢献し、女性の力を高めた。また、女性が有給労働に従事することに対する意識も和らいだ。今日、発展途上国でも同じようなことが繰り返されている。

中国とバングラデシュを考えてみよう。中国では、工場労働が農村部の女性に、故郷の村の悲惨な貧困と性役割の縛りから逃れる機会を与え、かつては世界で最も高かった農村部生まれの若い中国人女性の自殺率を劇的に低下させた。社会的流動性が高く、経済移民のほとんどは永久に田舎に戻らない。自分が選んだ都市に定住するか、最後には故郷の村に近い町に移り住み、店やレストラン、美容院や仕立て屋などの小規模事業を立ち上げている。多くはホワイトカラーになる。農作業に戻る人はほとんどいない。同様に、バングラデシュでは、工場労働によって女性は文化規範の制限を見直させることができるようになる。女性が中心となるこの国の縫製産業は、女性が家の外で働くこと、男性の保護者の同伴なしに外を歩くこと、無関係の男性の前で話すことさえ伝統的に禁じていた「プルダ」(隠遁生活)の規範を一変させた。現在、ダッカやその他の工業都市では、女性は外を歩き、親戚以外の男性と交流している。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの社会経済学者ナイラ・キャビアの研究によると、「工場で働く決定は、多くの場合、他の家族からかなりの抵抗を受けながらも、女性自身が言い出した」ことがわかった。(2013年に起こった)ダッカ近郊ビル崩落事故のような悲劇は多くの報道を集めるが、衣料品産業がバングラデシュの女性の物質的な幸福や社会的な平等に及ぼす広範な影響はあまり注目されない。他の先進国でも同じことが言える。

女性の時間を家事から解放し、新たな雇用機会に伴う経済的な交渉力を提供することで、市場経済は女性の物質的な生活水準を向上させ、文化的な変化を促す。多くの発展途上国における女性のエンパワーメント(活躍機会の拡大や地位向上)はまだ初期段階にあるが、適切な政策によって、世界中の女性が、今日の裕福な国の女性が享受しているのと同じ繁栄と自由への道を歩むことができる。

(次を全訳)
How Economic Freedom Has Benefited Women - HumanProgress [LINK]

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