2022-10-15

米国を核戦争の瀬戸際に追いやるゼレンスキー

アメリカン・コンサーバティブ
(2022年10月7日)

ウォロディミル・ゼレンスキー(ウクライナ大統領)がなぜこのようなことをするのか、私は理解している。彼の国はロシアに対して命がけで戦っている。米国と欧州を引き込み、ウクライナの防衛に最大限の力を発揮させることが彼の最善の利益なのだ。

しかし、それは我々の最善の利益にはならない。とりわけ、ハルマゲドン(終末戦争)に向かって突進しているかもしれないときには。

(ネオコンのコラムニスト)デビッド・ブルックスによれば、ウクライナが戦争で善戦している背景には、自由主義とナショナリズムの思想があるという。

もちろんゼレンスキーは、すべてのウクライナ人と同じように、ナショナリズムのために戦っている。しかし、自由主義のために戦っているというのは、本当だろうか。

ゼレンスキーは11の政党を禁止した。これが自由主義だろうか。

戦争勃発の前年の2021年、ゼレンスキーは親ロシアのメディアを禁止した。これが自由主義だろうか。

ゼレンスキーはロシア語の学校教育を制限する法律を可決した。ウクライナへの帰属意識を強化するためだ。ゼレンスキーは他の言語での教育も制限している。ウクライナ西部に住むハンガリー人は、子供を自分たちの言語で教育するには限られた権利しかないといわれる。これが自由主義だろうか。

ゼレンスキーは、ウクライナのネオナチ「アゾフ大隊」や、第二次世界大戦時のウクライナの民族主義者でファシスト、反ユダヤ主義者でナチスの協力者だったステパン・バンデラの崇拝者と和解し、勢力を拡大している。これは今の状況では理解できる。ドイツ軍がフランスに侵攻した時、王党派と共産主義者はナチスの侵略者を追い出すために共通の大義名分を得た。(英元首相)チャーチルは「もしヒトラーが地獄に攻め込んだら、私は議会で少なくとも悪魔のことを悪くは言わないだろう」と述べた。国家の存亡をかけた戦争では、そのようなことをせざるをえない。とはいえ、ゼレンスキーやウクライナ人が自由主義のために戦っていると言うには慎重であるべきではないだろうか。バンデラやアゾフ大隊の支持者に関してもそうだろう。

やはり開戦前の2021年、パンドラ文書の公開によって、ゼレンスキーは汚職撲滅を掲げて選挙戦を展開したにもかかわらず、じつは自分の取り巻きと同様、海外の銀行口座に財産を隠し持っていたことが明らかになった。旧ソ連圏で生活すると、政治はどこもかしこも腐敗していることがよくわかる。残念なことだが、それがこの地域の現実なのだ。ゼレンスキーも他の人と変わらない。それでも彼を自由主義者として祭り上げるのか。

ゼレンスキーは、同性婚の合法化を検討すると述べている。欧米の支持者が同性婚の権利を認めようとする大きな動きに呼応してのことだ。西側のリベラル派をなだめるためのプロパガンダであることはほぼ間違いない。2013年の世論調査では、ウクライナ人の79%が同性婚に反対していた。この数字は、過去十年間でそれほど低下していないはずだ。ゼレンスキーが内心どう思っていようと、同性婚がすぐに実現することはないだろう。ウクライナ人は欧米のリベラル派ではないのだから。

ウクライナの粘り強さは、ナショナリズムがいかに強力であるかを示している。自由主義は関係ない。南東部マリウポリを守るアゾフ大隊は、信じられないほどの勇気をもって戦った。彼らはファシストでもある。どちらも事実だ。

ゼレンスキーは自分の国を愛している。それは称賛に値することだ。しかし国を愛する私たち米国人は、そのウクライナの愛国者に、核戦争の瀬戸際まで連れて行かれてはならない。

(次より抄訳)
Zelensky Taking US To The Nuclear Brink - The American Conservative [LINK]

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