2022-08-01

反体制左翼とリバタリアンは同盟を

リバタリアン研究所、キース・ナイト
(2022年7月27日)

左翼とリバタリアン(自由主義者)の世界観には、根本で重なる部分が多い。それには五つの鍵がある。

第一に、大衆の犠牲によって大衆を支配する、不正な寄生虫のような小規模の支配階級が存在する。第二に、支配階級は搾取の仕組みを維持する利益を通じ、思想的に結びつく。第三に、支配者は決して進んで妥協したり、権力を手放したりしない。搾取される者による階級意識の向上だけが、事態を改善することができる。

第四に、メディア、教育、広告、裁判所、財産権制度、警察といった思想的上部構造は、支配階級を権力の座にとどめるために存在する。支配階級には腐敗・集中・中央集権化する固有の性質があるからだ。第五に、腐敗と中央集権は不安定化によって体制の崩壊を招き、搾取される大衆にある認識をもたらす。搾取の不当な仕組みは、協力と互恵に取って代わらなければならないという認識である。

搾取について左翼とリバタリアンの意見が違うのは、搾取する者とは誰かについてだ。リバタリアンの考えでは、搾取する者は企業オーナーや金持ち、1%の超富裕層、白人、男性、資本家、投資家などではない。搾取者とは、契約や同意に基づかず、暴力で目的を達成する者だ。つまり、所得や地位に関係なく、すべての政府、そして攻撃を始める者が、搾取を行っているのだ。

左翼は平等の価値を重視する。誰も他の人が持たない権利を持ってはならないということだ。これは政府にも当てはめることができる。不平等の極端な例として、535人の米議会議員が3億3000万人の米国人を強制で支配していることがある。これこそ不平等の根源であり、完璧な例である。

平等の原則に基づき、リバタリアンはこう言うだろう。「私にはあなたを支配する権利はないし、あなたには私を支配する権利もない。私はあなたに資金提供を強制することはできない。私に資金を提供するよう強制したり、私の時間を使うよう強制することもできない」

お互いに促し合うことはできても、どちらも相手を支配したり、攻撃を始める権利はない。もし誰かが暴力を振るい始めたら、他の誰でも(警備員であろうと、ただの傍観者であろうと)あらゆる侵略者を撃退する権利がある。これはすべて、平等の原則に沿ったものだ。

リバタリアニズムは、自己所有と同意の哲学に基づいており、支配と支配される者の関係は、セックスとレイプ、労働と奴隷、取引と強盗と同じく、道徳的な違いだとみなす。自由と平等の原則は密接に関係している。公正な社会は、平等と自由を包含する必要がある。平等とは、すべての人間が平等に創られていることを意味し、平和な人や正当に取得した財産に対して暴力を振るう権利がないことを意味する。すべての相互交流は、合意に基づくものでなければならない。

リバタリアンと左翼の連携を図る動きは昔からあり、サミュエル・コンキンの著書『新リバタリアン宣言』(1980年)などにさかのぼる。ある種の左翼(反国家的だが社会的セーフティネットを支持する人々)は、無政府社会になれば、相互扶助の形で、欲しいものをほとんど手に入れることができるだろう。

(次より抄訳)
A Necessary Alliance Between the Dissident Left and Libertarians | The Libertarian Institute [LINK]

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