2022-07-21

アフリカ経済を破壊するインフレ・政府債務・税金の三重苦

起業家、マニュエル・タカノ
(2022年6月17日)

今日、アフリカで社会主義の実験が失敗したことは疑う余地がない。ほとんどの諸国は国家主導の経済制度に抑圧され、大幅なインフレ、多額の債務、重い課税、高い政府依存、貧困の悪化、食糧不安、慢性的な大量失業、その他広範な問題の泥沼に陥っている。

アフリカの不安定な通貨は、その不安定さと貧困化のために、経済発展の大きな妨げとなってきた。有機的かつ持続的な経済成長は、負債や赤字支出、貨幣の印刷によってではなく、貯蓄によって推進されなければならない。

長い目で見れば、インフレは通貨の崩壊に終わる。1990年代のアンゴラや2000年代前半のジンバブエがそうだった。

安定し信頼できる通貨は、地域の資本形成(=貯蓄)を促し、自国での投資や起業につながり、有機的・分散的・永続的な経済成長をもたらす。また、信頼できる通貨(金貨など)に基づく経済は、低税率や経済的自由など他の要素と相まって、外国資本や人材を引きつけ、広範な繁栄につながる。

一方、通貨が不安定でインフレが蔓延している状況では、人々は貯蓄を減らし、消費を急ぎ、長期の投資や事業を避けがちだ。資本形成、資本誘致、長期の資本開発は、工業化と永続的な繁栄に不可欠である。

負債はグローバルな経済問題だが、負債の重荷は国ごとに異なる。先進国よりも発展途上国のほうが債務の悪影響は深刻で、早く顕在化する。

スーダン、エリトリア、カーボベルデ、モザンビーク、アンゴラ、モーリシャス、ザンビアといった債務残高対GDP比が100%に近いかそれ以上の国は別として、アフリカの平均債務残高対GDP比は60%前後で推移し、先進国の平均よりも低い。それでもアフリカの債務増加は賢明ではなく、持続不可能であり、危険だ。

ネネテ・オコリエ・エグベはナイジェリアのアクウェテ出身の王女で、1929年に英国の植民地支配、特に圧制的な課税に対し女性たちの反乱を主導した。

アンゴラの有名な民話に、かつてポルトガルの植民地課税に抗議し、当時のカキシート村の地元の人々が魔法を使い、お金の入った袋を口にくわえたワニを地元の植民地事務所に送り、税金を納めるよう命じたというものがある。

現在のアフリカは、ネネテ・オコリエ・エグベが再び反乱を起こしたり、当時のカキシートの村人がワニを100匹も税務署に送って抗議したりするような、非道な課税が特徴である。

アフリカの法人税率は平均27.5%で、これはどの地域よりも高い。チャド、コモロ、赤道ギニア、ギニア、スーダン、ザンビアはすべて35.0%で、世界で2番目に高い法人税率に並んでいる。アフリカの多くの国は、起業コストが高く、参入障壁が多数あるため、ビジネスのしやすさでも下位にランクされている。

アフリカのほとんどの政府は、意図してかどうかはともかく、アフリカ社会に対して三連発の銃をぶっ放している。植民地政府ではなく、アフリカの政府がなぜこのような破壊的な経済の銃を、自分たちが奉仕し、向上させるべき人々に対して発射するのか、その理由は不明だ。アフリカ政府は高インフレ、高負債、高税金の環境を維持することで、アフリカ社会を専制政治、依存、貧困に陥らせている。

(次より抄訳)
A Triple-Barreled Gun Is Destroying African Economies: Inflation, Government Debt, and Taxes | Mises Wire [LINK]

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