2022-05-07

バイデンがウクライナに送る何十億ドルもの武器は、まともに使えない

ウクライナ政府は、米国やNATOの複雑な兵器を維持・修理することができない——壊れたら使い物にならない

元国連大量破壊兵器査察官、スコット・リッター
(2022年5月6日)

ロシアの「特別軍事作戦」から身を守る重火器が必要だと、米国やNATO加盟国に迫っていたウクライナのゼレンスキー大統領は、その願いをかなえたようだ。米議会は4月28日、ウクライナへの迅速な武器貸与を可能にする、第二次世界大戦時代の法律に命を吹き込む法案を可決した。

今回の議会決定は、ロシアとの紛争が始まって以来、ウクライナにすでに提供されている約30億ドルに加え、330億ドルの追加軍事支援をバイデン大統領が承認したことを受けたものだ。榴弾砲や装甲戦闘車などの重兵器が中心で、ウクライナは戦闘で破壊・損傷した装備を交換するために必要としている。

ウクライナ軍が米国から提供される大規模な軍事援助の一部として受け取ろうとしている重装備には、維持保守という、明言されないが重要な現実が伴う。簡単にいえば、壊れたら使えないということだ。とくに現代戦の果てしない緊張とストレスにさらされた場合、軍備は頻繁に壊れる。

例えば、米国がウクライナに供与しているM777型155ミリ榴弾砲(総数約90基)である。軽量で運搬しやすい榴弾砲として設計されたが、戦闘状況下で金属疲労、発射時の不安定さ、反動による損傷などの深刻な問題がすぐに明らかになった。鉄の代わりに使用したチタンは金属疲労を起こしやすい。

M777を装備した砲兵部隊の戦闘効果は、主に保守の問題から作戦開始四日目あたりから低下し始める。この問題を解決しないまま放置すると、装備した部隊は一週間以内に完全に戦闘不能に陥る可能性がある。現場レベルの広範な保守は、訓練を受け、兵站の整った部隊でなければ実行できない。

ウクライナ軍は独グラーフェンベールの米軍訓練センターでM777システムの訓練を受けているが、運用には人手(8人乗務)が必要で、戦闘中のシステム維持方法には関心がないだろう。前線に出たとしても、システムの複雑さから非効率的な運用は確実で、早晩修理する手段もなく故障してしまうだろう。

M777の保守問題は、米国とNATO同盟国がウクライナに提供する他の重装備にも共通する。戦闘下ですぐ故障することがほぼ確実で、後方支援計画もない、時代遅れの兵器をウクライナに提供することで満足しているようだ。

バイデン大統領や、ウクライナを訪問したペロシ下院議長は、戦闘に入るとすぐに故障することがほぼ確実で、維持修理するインフラもない兵器をウクライナに提供している。自殺薬を与えて栄養と称しているにすぎない。とんだ友人もあったものだ。

(次より抄訳)
Biden is sending Ukraine billions of dollars of weaponry it can't use properly — RT Russia & Former Soviet Union [LINK]

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