2022-05-12

バイデンはウクライナに330億ドルの追加を希望。議会はそれを400億ドルに急遽増額した。誰が得をするのか?

米国人が苦しむ中、何百億ドル、いや、それ以上かもしれないが、米国の財源からウクライナに飛んでいっている

ジャーナリスト、グレン・グリーンウォルド
(2022年5月11日)

2月24日のロシアの侵攻以来、バイデン政権は、ウクライナの戦争の燃料として多額の資金支援を繰り返し発表してきた。4月末までで米国の総支出は、3月中旬に議会が承認した135億ドルの追加分と合わせ140億ドル近くになる。そのほとんどは兵器産業の財源となる。

これまでの金額はすでに膨大なものだが、4月28日にバイデン政権が発表したものに比べれば小さなものだ。議会に330億ドルの資金提供を要請しており、これまでに認められた支援額140億ドルの2倍以上になる。両者を合わせると、すでにアフガニスタン戦争の年平均額(460億ドル)を超えている。

アフガン戦争では、9・11テロ当時、タリバンがオサマ・ビンラディンとアルカイダをかくまっていたという主張から、一応は自衛らしき根拠があった。今米国は、米国の自衛権とはまったく関係ないウクライナでの戦争がわずか10週間続いただけで、アフガン戦争の年間平均を上回る出費をしている。

米国が3カ月足らずでロシア・ウクライナ戦争に費やした総額は、ロシアの1年間の軍事予算総額(659億ドル)に迫る勢いだ。米国はロシアを存亡にかかわる脅威として描くが、現実には毎年、ロシアの10倍以上の軍事費を使っている。軍事費第2位の中国の3倍、次の12カ国の合計よりも多く使っている。

巨額の支出で大きな利益を得ているごく一部の米国人がいることは、容易に想像がつく。それは兵器メーカー業界である。5月3日、バイデンはロッキード・マーティンの施設を訪れ、「ジャベリン対戦車ミサイルを製造する工場を称賛し、ウクライナの戦争の努力と民主主義の防衛に不可欠と述べた」という。

実際、ウクライナに大量の軍備を移送したことで、米国は自国の兵器の備蓄を減らし、政府による大量購入で補充する必要に迫られている。アフガン戦争が終結し、主要な市場を失った兵器業界が、さらに大きく有利な武器販売の機会を得たことに、陰謀論者でなくとも驚嘆することだろう。

ロッキード社とともにジャベリンを製造しているレイセオン社は、特に幸運だった。大量の在庫はもはやアフガンには必要ないのだが、今や国防総省を動かす元取締役(オースティン長官)が、ウクライナに出荷するためにこれまで以上に大量に注文してくれている。戦争が始まってから、株価はうなぎ登りだ。

ウクライナの戦争によって米国人が何らかの危険にさらされているという、説得力のある議論ができるだろうか。明らかに、米国人はウクライナ戦争そのものよりも、戦争に対する米国の対応によって、はるかに危険にさらされている。

(次より抄訳)
Biden Wanted $33B More For Ukraine. Congress Quickly Raised it to $40B. Who Benefits? [LINK]

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