2022-04-08

なぜウクライナにいるのか?

プリンストン大学名誉教授、スティーブン・コーエン(2019年)

数世紀にわたり、ロシアとウクライナの大部分は国境、歴史、民族、言語、文化、人的関係、貿易など多くを共有してきた。2014年以降、両国政府の対立が激化した後でも、両国民の多くは自分たちを家族的な関係で考えている。米国はウクライナとこうした共通点がほとんどない。「重要な国益」などない。

1990年代、クリントン大統領はNATOをドイツから東へ拡大し、最終的にはウクライナまで拡大すると決断した。それ以来、民主党も共和党も、ウクライナは「米国の重要な国益」だと主張してきた。その愚かさに反対する私たちは、ロシアとの危険な衝突や戦争につながるかもしれないと警告した。

もしカナダやメキシコと米国との国境にロシアの軍事基地が出現したら、米国はどのような反応を示すか想像してみてほしいと、私たちは指摘した。それは間違っていなかった。ドンバスでのウクライナとロシアの戦争で、推定1万3000人が死亡し、200万人が避難している。

民主党はウクライナへの大規模な軍事支援を差し止めたトランプ大統領(オバマ大統領は強い圧力にもかかわらず、賢明にもそうした)を激しく批判している。2020年の民主党の大統領候補はトゥルシ・ギャバードを除き、ウクライナへの軍事支援を競うことになりそうだ。民主党は戦争政党になりつつある。

一方、ロシアのプーチン大統領は、「米国のウクライナ侵略」に対し消極的だと政府内の強硬派から非難され続けている。しばしば悪口を言われるトランプとプーチンが、もろい冷戦の平和をそれぞれの国の好戦派から守っているかもしれないとは、皮肉というべきか、悲劇というべきか。

(次より抄訳)
Why Are We in Ukraine? - LewRockwell

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