2022-04-20

ウクライナ戦争にまつわるいくつかの神話を暴く

ミーゼス研究所会長、ルー・ロックウェル(2022.4.18)

もしブチャで民間人が銃で撃たれ、意図して殺されたとしたら、間違いなく戦争犯罪であり、恐ろしいことだ。しかし実際にはロシア軍の仕業ではなく、ウクライナ人(地元の民兵やウクライナ保安庁)が「破壊工作員」や「ロシアの協力者」に対する残忍な報復の一環として行ったと考えるに足る根拠がある。

第一に、「ブチャの虐殺」は、捕虜の射殺や民間人への拷問などを撮影した多数のビデオで証明されているように、ウクライナ軍による戦争法規違反と共通点がある。ブチャの静止画とは異なり、これらの動画は行為そのものと加害者を映し出している。これは最近NYタイムズでさえ認めたことだ。

第二に、ウクライナのゼレンスキー大統領は、「妨害者」「裏切り者」の処罰を求める演説を何度も行い、最終的にはウクライナの「脱ロシア化」で戦争を終わらせると述べている。これは厳しい言葉であり、明らかに過激派を煽り立てるものだ。

第三に、ウクライナの雰囲気は戦争犯罪に適している。米憲法修正第2条(武器保有権)を支持する立場からは、ウクライナ政府による国民への武器供与は朗報だが、その一部は犯罪者や自制心のない者の手に渡ってしまった。戦闘経験のある囚人を解放し戦わせたのだ。彼らが戦争法規に忠実だとは思えない。

ウクライナ人がスパイや破壊工作員に対する妄想から互いに殺し合った記録も数多い。ウクライナ人とロシア人の違いはわずかで、東部ではロシア語しか話せず、ロシアを支持するか、ウクライナ政権に対し冷めた人が多い。このため内戦的な暴力が起こりやすく、裏切り者を一掃するためと正当化される。

第四に、時系列でみて、ロシアがブチャの虐殺を行ったかどうか大きな疑問がある。ロシア軍は3月30日にブチャを撤退。ブチャ市長は3月31日の撤退発表時、戦争犯罪に一切言及しなかった。4月2日、ウクライナ保安庁は破壊工作員や裏切り者に対する「浄化」作戦を行うため、ブチャに移動すると発表した。

死者の写真が出たのは4月2日で、ゼレンスキー大統領は記者を案内するためすぐに姿を現した。ロイターやNYタイムズは、3月19日未明に街中に死体があったとする衛星画像を掲載したが、2週間も屋外に放置された遺体は、4月2日の写真に見られるような状態ではなく、かなり腐敗が進んでいるはずだ。

第一次世界大戦で主張された、ドイツ軍によるベルギーでのレイプ。コソボでの大量虐殺。クウェートでイラク軍が保育器から新生児を取り出し放置したという話。不必要な戦争への関与を促すため、誤った残虐物語が利用されてきた。情報源に嘘をつく動機がないかどうか、つねに問わなければならない。

ロシアは国連安保理を通じ、「ブチャの虐殺」の独立した調査を要求したが、議長国である英国は理事会の召集を拒否したようだ。独立した調査こそが、真実を判断する最善の方法であるはずなのに。ウクライナも米欧も真実は二の次で、ロシアを弱体化させ戦争を長引かせることに投資しているのは明らかだ。

(次より抄訳)
Exposing Some Myths About the Ukraine War - LewRockwell

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