2022-04-13

米国務省は戦争防止に失敗した。今度は平和を阻止するのか?

Craft共同創業者兼ゼネラルパートナー、デビッド・サックス(2022年4月8日) 

ウクライナの戦争は防ぐことができた。プーチンの行動が戦争を引き起こしたからといって、戦争が避けられなかったわけでも、戦争を防ぐ手段を講じることができなかったわけでもない。数年前、多くの学者がウクライナの将来の危機を予測し、国を破滅させるだろうと述べていた。

NATOがウクライナとグルジアの加盟に門戸を開いた2008年のブカレスト宣言以来、ロシア側はこの2つの隣国のNATO加盟を「越えてはならない一線」だと表明してきた。そして同年末にグルジアに侵攻し、ロシア系住民が多く住む地域を確保することで、その本気度を証明したのである。

この14年間、プーチンとロシアのエリートは声をそろえ、「ウクライナのNATO加盟は安全保障上の脅威として耐えがたい」と語ってきた。米国はこの越えてはならない一線を無視し、NATOの拡大を推し進め、正式加盟前にもかかわらずウクライナの軍隊をNATOと連携させた。

今年1月、ブリンケン米国務長官はラブロフ露外相との交渉で、NATO加盟について何の譲歩もしなかった。実際、彼は西側の強硬姿勢を誇りに思っているようで、「今までもこれからも変わることはない」と発言し、「NATOの門戸は開かれており、今も開かれている。それが私たちの約束だ」と述べた。

ロシアが敵対的な軍事同盟による包囲を本当に心配していると想像するのは、そんなに難しいことだったろうか。外交官は相手の立場に立って考えられるはずではないか。もしNATOが純粋に防衛的な同盟だとしても、ロシアがその巨大な軍事力を攻撃の可能性とみなすとは本当に考えられないのだろうか。

ロシアは、NATOがリビアのカダフィを倒し、コソボ紛争でセルビアの同盟国を爆撃するのを見ている。ウクライナ国境に米国の軍隊、武器、基地が配備されるというロシアの想像を理解するのは、それほど難しいことだろうか。米国はキューバ危機を経験したのに、ロシアの同じ懸念は狂気と片付けている。

国務省は外交官失格だ。もちろんこんな無能は隠蔽しなければならないから、政府高官は戦争が始まるとすぐ、ウクライナ侵攻はNATOの拡張とは無関係だと主張し始めた。サキ報道官によれば、異を唱えることは「プーチンのオウム返し」でしかないという。米政府はこの話題をタブーにした。

バイデン政権のバーンズ現CIA長官は2008年のロシアに関する有名なメモで、当時のライス国務長官に対し、ウクライナへのNATO拡大は「(プーチンに限らず)ロシアのエリートにとって絶対越えてはならない一線」と書いた。これはプーチンのオウム返しでしかなかったというのだろうか。

(次より抄訳)
The State Department Failed to Prevent the War. Will It Now Prevent the Peace? - The American Conservative

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