2022-03-23

新たな冷戦を始める前に、米政府は再考すべし

クインシー研究所主任研究員、ウィリアム・ハートングほか(2022年3月22日)

ロシアのウクライナ侵攻は、新たな冷戦の始まりを意味するという。もしそうなら、米国防総省は今後数年間で何兆ドルもの資金を追加し、世界中で攻撃的な軍事態勢を強めることになる。しかし米国はすでに朝鮮戦争やベトナム戦争の最盛期、つまり旧冷戦のどの時期よりも大幅に多額の支出をしている。

冷戦中、米政府は何百万人もの命を犠牲にし、右翼独裁と反乱を世界中で推進した。イラン、グアテマラ、チリのクーデター、ベトナム戦争、アフガニスタン、アンゴラ、中米、インドネシアの独裁政権や代理勢力への支援などだ。ソ連から「自由世界」を守るという、誇張・捏造された告発で正当化された。

米政府の最大の失敗は、ソ連のアフガン侵攻への対応だ。カーター政権はムジャヒディンと呼ばれる反政府武装勢力に武器供与を強化。レーガン政権は支援を倍増させた。これはソ連撤退後、裏目に出る。レーガンが「自由の戦士」と賞賛した人々の中には、アルカイダや後のタリバンの結成に貢献した者もいた。

米国は現在20万人以上の軍隊を海外に駐留させている。アフガンで米軍の関与が終わり、イラクとシリアでの作戦が劇的に縮小されたことは、中東などで米軍の存在感が急激に後退する始まりとなったはずだ。しかしロシアのウクライナ侵攻に対する米国の対応は、このような軍再編の妨げになりかねない。

(次より抄訳)
Washington Should Think Twice Before Launching a New Cold War - TomDispatch.com [LINK]

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