2020-09-15

平等主義の恐怖

すべての人間が完全に平等になるには、すべての人間があらゆる特質において完全に同じでなければならない。平等主義の世界はホラー小説の世界だ。個性も多様性も特別な創造力もない、顔のないそっくりな生き物たちの世界だ。
Murray N. Rothbard, Egalitarianism as a Revolt against Nature

ヴォネガットは短篇小説「ハリスン・バージロン」で、特殊な機器で人間の能力を劣った方にそろえる近未来社会を描いた。この物語を読者がおぞましく感じるのは、人間は不平等だと本能的に知っているからだ。平等主義の社会を実現できるのは、全体主義的手段による強制だけだ。
Murray N. Rothbard, Egalitarianism as a Revolt against Nature

平等主義の出発点は、あらゆる人間、あらゆる人間集団は同一であり平等であるという、経験に先立つ原理である。したがって平等主義からみて、社会的な地位、名声、権威における集団間のあらゆる差異は、不正な「抑圧」、不合理な「差別」の結果でしかない。
Murray N. Rothbard, Egalitarianism as a Revolt against Nature

平等主義はその手段も目的も、人間と宇宙の構造そのものを否定し、きわめて非人間的である。その思想も行動も悪とみなさなければならない。文明や人類そのものの破壊が高い称賛に値するとでも主張しない限り、平等主義が倫理にかなうと言うことはできない。
Murray N. Rothbard, Egalitarianism as a Revolt against Nature

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