2020-08-04

社会的に危険な分子

フェイスブックがそのコミュニティ規定で「危険な人物および団体」を定めるレトリックは、ソ連がスターリンによる大粛清時代、政府にとって「有害」な人々を呼ぶ際に使ったものと似ている。
Michael Rectenwald, Google Archipelago: The Digital Gulag and the Simulation of Freedom

ソ連が定めた「社会的に危険な分子」は、フェイスブックの「危険な人物および団体」「ヘイト団体のリーダー」と同じく、融通無碍で曖昧だった。そこには旧体制の警察官、反革命軍の将校、僧侶、尼僧、田舎の職人、元小売店主、田舎の知識人、及び「その他」が含まれた。
Michael Rectenwald, Google Archipelago: The Digital Gulag and the Simulation of Freedom

ソ連で大粛清が進むにつれ、「社会的に危険な分子」は増えていった。危険な人が増えたからではなく、危険とみなされる人が増えたからだ。旧制度の遺物として廃止されたか、廃止せよと言われた役職を務めたことのある「元◯◯」は、社会的に危険な分子とみなされた。
Michael Rectenwald, Google Archipelago: The Digital Gulag and the Simulation of Freedom

大粛清時代のソ連で用いられた、「社会的に危険な分子」の曖昧で融通無碍な定義には、「ブルジョア専門家」も含まれた。彼らはソ連政府に仕えたが、スターリン新政権の官僚らによって、2年間だけで多数が殺された。大粛清の犠牲者70万人のうち多くの割合を占める。
Michael Rectenwald, Google Archipelago: The Digital Gulag and the Simulation of Freedom

0 件のコメント:

コメントを投稿