2020-07-15

自由より安全

自由の観念を最初に形成したのは地方の紳士階級であり、詩人や哲学者、ときに変わり者の王がそれを助けた。大衆が戦うのは自由のためではなく、ハムとキャベツのためだ。勝利を収めると、大衆はまず、空腹を直接満たさない自由を破壊する。次に、自由主義の活動家を殺戮する。
H. L. Mencken, Notes on Democracy

自由の本当の意味は、低劣な人間には理解できない。彼らは偽りの自由については考え、尊重しさえする。たとえば、二つの政治的詐欺集団のうち一方を選び、明らかに不誠実な方を支援する権利などだ。真の自由を守るために必要な資質は、低劣な人間にはない。それは勇気である。
H. L. Mencken, Notes on Democracy

自由とは自立であり、不屈さであり、冒険心であり、他人に頼らずやっていく能力である。自由な人間とは、言ってみれば、低劣な大衆から小さく不安定な領地を勝ち取り、それを守り、耕すことをいとわない者だ。周りは敵ばかりで、近くに味方は誰もいない。
H. L. Mencken, Notes on Democracy

大衆は自由の痛みに耐えられない。自由に不安になり、おびえ、深い孤独を感じる。冒険心はなく、恐れしかない。自由を求めないばかりか、耐えることもできない。大衆が求めるのは、自由とはまったく異なるもの。すなわち、安全である。守ってほしいのだ。傷つくのが怖いのだ。
H. L. Mencken, Notes on Democracy

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