2020-06-26

ナチスと生存圏

あらゆる全体主義の根底には、ある信条が存在する。それは、支配者は国民よりも賢くて気高く、したがって何が国民の利益になるか、国民自身よりもよく知っているという信条である。
Mises, Ludwig von, Omnipotent Government: The Rise of the Total State and Total War

ナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)に不可欠な政策は、ドイツ人のために生存圏を征服することだった。生存圏とは経済的な自給自足によって他国よりも高い生活水準を維持できる、広大で天然資源の豊かな領土である。それはドイツの世界覇権の確立なしには実現不可能だった。
Mises, Ludwig von, Omnipotent Government: The Rise of the Total State and Total War

国は政府による統制を強めるほど、国際経済において孤立を深める。国際的な分業は国家主権の完全な行使を阻むものとして不信の対象となる。自給自足経済は、政府が経済問題で最高の権限を握ろうとすれば、必ず行き着く先である。
Mises, Ludwig von, Omnipotent Government: The Rise of the Total State and Total War

反自由主義は真の自由主義のふりをして大衆の心をつかんだ。今日、リベラルを自称する人々が支持する政策は、古い自由主義の信条とは正反対である。彼らは生産手段の私有と市場経済を非難し、全体主義的手法による経済運営を熱心に支持する。
Mises, Ludwig von, Omnipotent Government: The Rise of the Total State and Total War

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