2020-03-06

徴兵という圧制(ジェファーソン)

米建国の父ジェファーソンは独立戦争の戦況が思わしくない時期でさえ、徴兵に反対し、徴兵は人民にとって「最も望まない圧制」だと述べた。国家の存続よりも個人の自由を重んじたからだ。徴兵される者にとっては、王制だろうと他の政府だろうと徴兵は徴兵であり、虐待である。
Thomas Jefferson on the Draft as "the last of all oppressions" (1777) - Online Library of Liberty

米建国の父マディソンによれば、宣戦布告とは事実上、平時における法の運用をすべて停止することであり、行政府の権限を大きく踏み外している。行政府の役割とは、立法府が認めた法を執行することだからだ。マディソンは、剣(行政府)と財布(立法府)を分けるよう強調した。
James Madison on the necessity of separating the power of “the sword from the purse” (1793) - Online Library of Liberty

米建国の父ハミルトンは、軍隊が市民よりも重要になると自由にとって脅威になると警告した。戦争が常態化すると、国家は戦争国家に変容する。財政への需要が莫大になり、人民は兵役に心身をすり減らす。権利が侵害され、軍隊を防衛の手段でなく服従の対象とみなすようになる。
Alexander Hamilton warns of the danger to civil society and liberty from a standing army since “the military state becomes elevated above the civil” (1787) - Online Library of Liberty

アダム・スミスは『国富論』で戦争について述べた。英本国の市民は戦地から遠く離れているため戦闘を直接経験せず、報道で国家の栄えある勝利を楽しむ。政府が戦費調達で大幅な増税を避けて国債に頼るため、増税は国債の利払い分にとどまり、戦争の真のコストを知らされない。
Adam Smith observes that the true costs of war remain hidden from the taxpayers because they are sheltered in the metropole far from the fighting and instead of increasing taxes the government pays for the war by increasing the national debt (1776) - Online Library of Liberty

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