2018-11-24

ノーベル経済学賞を取る法

経済は機械にあらず
経済は、複雑で変化をやめない取引関係から成り立つ。多数の個人の好みと欲望に基づき、生産・売買の精巧で入り組んだパターンが生じる。このパターンは絶え間なく移り変わる。何か一つの目的を果たすために作られた機械とは異なり、経済の目的は一つではなく、何十億もある。
Why the "Economy Is an Engine" Metaphor is So Wrong | Mises Wire

経済学者に予測はできない
同じ刺激に対しても人によって反応は異なる。人間の行動に量的な規則性はない。だから経済学によって人間の未来の行動を予測することはできない。経済学にできるのは(「価格が下がれば需要は増える」のように)一定の条件の下で起こる人間行動の結果を定性的に述べることだ。
Economists Won't Predict the Next Crash — Because They Can't | Mises Wire

進化と市場経済
進化生物学者ドーキンスいわく、良い突然変異より悪い突然変異が多いのは、生命の複雑な仕組みをいじれば改善より改悪の可能性が大きいから。経済も同じ。改悪を避けるには、意思決定を個人に委ねよう。判断を誤っても社会への悪影響は限られ、改善に再挑戦する気持ちも強い。
Richard Dawkins, Biological Complexity, and the Market - Foundation for Economic Education

ノーベル経済学賞を取る法
科学や知識の進歩は経済成長と密接な関係があるといった、昔から知られていたことを数式で表し、新古典派経済学の枠組みに組み込むと、ノーベル経済学賞をもらえる。しかしすでに存在する知見を別の言語で表したからといって、それ自体は科学的知識の大きな進歩とはいえない。
Old Wine in Old Bottles? A Nobel for Clever Packaging? | Mises Wire

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