2017-07-07

さらば官営福祉

政府の福祉政策は効率向上も経費抑制もダメだ。間接経費の比率だけで推定50~70%に達する。官僚や福祉職員の施設や建物に1ドルのうち50~70セントも使い、貧困層に30~50セントしか使わない制度が本当に望ましいだろうか。

小規模な民間慈善団体の実績は、政府よりずっと優れている。シカゴの聖マルティン・デ・ポレス希望の家はホームレス女性の支援に特化する。官立のホームレス施設が1日1人あたり22ドルかかるのに対し、ここの経費は7ドル足らずである。

福祉国家に対する実行可能な代替案にまず注目し、そこから民間地域サービス組織の広範なネットワークを築こう。人々の尊厳を損ねることなく助けることができ、経費もずっと安くて済む。理論を議論するだけでなく、実行するときである。

Sharon Presley, Mutual Aid Is Not Just Historical: Modern Alternative Services (2015.2.19, libertarianism.org)

1 件のコメント:

  1. 記事によると官営福祉が非効率であることは日本だけではないようだ。
    狭い意味での政府による福祉とは、保険(健康保険と失業保険)、年金(生活保護・障害者年金・育児手当などの現金給付制度を含む)である。福祉を政府が行うべきか、民間企業にまかせるべきか、キリスト教的民間慈善団体にまかせるべきか。その内容をどうするか、一人一人で立場と利害が異なるため議論が尽きることは無い。
    自由主義なら原則をいくつか立て、それに沿って考えるとよい。
    (1)言論の自由から、福祉制度について自由に議論してよいということ。
    (2)行動の自由から、政府や民間の福祉制度への加入は強制されないということ。もし強制するなら最低限度の内容とすること。
    (3)経済の自由=私的財産の保護から、受益者負担の原則を守ること、保険年金での負担の公平化すること、経費削減すること。
    (4)公正な行政から、公金使途の透明化が図られていること。

    私の案は、政府の医療保険と年金は、最低限度の生活保障とすること。
    具体的には、医療健康保険の治療水準は、2010年の医療水準に固定する。それ以上の先進医療は民間保険とする。
    年金の支給額の最高額は、一人当たり最低生活できる金額(最低賃金の半額)までとする。
    それ以上の支給を受けたい者は、民間の年金積立をするか自分で貯蓄すればよい。
    保険年金の納付額は、公平さを維持するため、所得の多寡にかかわらず所得額への定率で負担させる。累進課税でないことで、少しだけ公平性が保てる。所得の多いものほど納付額は多くなり、最低限度の生活保障に見合わない額となるが、制度全体で所得再分配機能があるため、自由主義社会のセーフティネットを維持するために好ましい。
    その率は、毎年の予算で必要な額で調整され、決算での過不足は翌年の率の上下で調整し赤字も黒字も翌翌年に持ち越さない。

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