2017-01-17

マルクスの保護貿易批判

Jairaj Devadiga, What Marx Could Teach Obama and Trump about Trade(マルクスが貿易についてオバマとトランプに教えられただろうこと)より抜粋。

カール・マルクスは、経済の自由を擁護したことで知られているとは言えない。しかしそんなマルクスですら、保護主義の害悪(evils of protectionism)を理解していた。

親友エンゲルス(Frederick Engels)の引用によれば、マルクスは保護主義をこう定義した。「製造業者をでっち上げ、独立した労働者から収奪し、国の生産・生活手段に対する投資を促し、生産の近代化を無理に短縮するための人為的手段」

トランプ次期米大統領は輸入品に関税(tariffs)をかけることで、米国製品を相対的に安くし、国内での生産を促そうとしている。これがマルクスの言う「製造業者をでっち上げ」ることだ。

マルクスが述べたとおり、保護主義は労働階級に損害を与える。海外との競争から守られている企業やその従業員を除き、誰もが損をする。トランプが全輸入品の関税を上げれば、米国の平均的労働者は生活費(cost of living)が急増するだろう。

マルクスは、最低賃金などの規制で雇用のコストが上がると、機械を使うほうがより儲かることを理解していた。トランプが中国製品への関税を上げても、雇用が米国に「戻る」とはいえない。米国人よりロボット(robots)を使うほうが安いからだ。

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