2016-12-10

労働法は既得権の味方

Ferghane Azihari, Will Europe's Labor Laws Kill the Gig Economy?(欧州の労働法でギグエコノミーは滅びるか)より抜粋。

米ウーバーは英国で初の訴訟に敗れ、運転手との法的関係の性質を見直すよう命じられた。運転手らは独立した請負業者(independent contractors)ではなく、労働者としての権利を主張していた。

西欧諸国の法理論によれば、労働者と請負業者の違いは、労働者が雇用主と服従関係(relationship of subordination)にある点という。雇用主は従業員に対し支配・制裁権があるとされ、そのため雇用主の権力から従業員を守る特別なルールが正当化される。

現実には従業員(employees)と請負業者の区別は恣意的だ。これは労働法が首尾一貫していないことを示す。もし首尾一貫させるなら、労働法はどんな仕事にも適用されなければならない。取引費用の高騰で分業の効率が落ち、社会は貧しくなるだろう。

労働法は特別な保護(special protections)を一部の労働者だけに認め、他の労働者には認めない。これは法の下の平等の原則に反する。自由な労働を妨げられないことこそ、独立請負の利点だ。契約の自由が広がり、より柔軟な働き方ができる。

左翼政党は、独立請負は労働法をかいくぐる「不当安売り制度」(social dumping mechanism)とみる。これは偽善だ。独立請負は、既得権を守る有害な労働法を駆逐する。一部の労働者が楽に暮らせるのは、幸運にも「社員」という保護された地位を手に入れたからだ。

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