2015-02-13

和平合意への不安

ポール・クレイグ・ロバーツ(Paul Craig Roberts, 元米財務次官補・エコノミスト)
――ウクライナ紛争とプーチン露大統領について。(2015年)
〔ドネツク州とルガンスク州のロシアへの〕統合によって紛争を終わらせることに失敗し、プーチンはみずから西側のプロパガンダに身をさらすことになった。その結果、紛争が何カ月も不必要に長引く間、西側におけるプーチンのイメージと評判はめちゃくちゃになった。プーチンは「ヒトラーの再来である」。「ソビエト帝国の復活をもくろんでいる」。〔略〕 
かりにロシア軍がウクライナに侵攻して同国を制圧し、ロシアに再統合したとしても、プーチンをこれほど悪者扱いするのは行き過ぎだろう。ウクライナは、ソ連が崩壊し、米国の求めに応じてロシアから分離するまで、数百年にわたりロシアの一部だった。
# 2月12日、ウクライナ東部の和平を目指す新たな停戦合意が結ばれたが、ロバーツは、成功の見込みはほとんどないとみる。理由の一つは、合意の当事者に米国が入っていないこと。「米政府がウクライナに軍を派遣し、操り人形である同国政府の軍を訓練しようとしているのに、どうやって和平を取り決めるというのか」。停戦合意では米国のこの計画に言及していない。一方でロバーツは、米国など西側メディアによってまるで悪魔のようなプーチン露大統領のイメージが形作られていることを危ぶむ。相手国の指導者を一方的に冷酷な悪人として描くのは、いつの時代も戦争屋の常套手段だ。(木村)
By failing to end the conflict by unification, Putin set himself up as the punching bag for Western propaganda. The consequence is that over the many months during which the conflict has been needlessly drawn out, Putin has had his image and reputation in the West destroyed. He is the “new Hitler.” He is “scheming to restore the Soviet Empire....” 
Putin could be no more demonized even if the Russian military had invaded Ukraine, conquered it, and reincorporated Ukraine in Russia of which Ukraine was part for centuries prior to the Soviet collapse and Ukraine’s separation from Russia at Washington’s insistence.
出所:paulcraigroberts.org

参考記事:リバタリアン通信: プーチン非難の欺瞞

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